現在は夫婦共働きのご家庭も増えていますが、昭和の時代には「夫が働き、妻が家計を管理する」というご家庭も多くありました。
そのような中で、相続の場面で問題になりやすいのが「妻名義の預金」です。
例えば、夫から毎月生活費を受け取り、使い切れずに残ったお金を長年コツコツ預金していた場合、気づけばかなりの金額になっていることもあります。
中には、夫の預金残高よりも多いケースもあります。
しかし、相続税の申告では、このような預金が「本当に奥様自身の財産なのか」が確認されることがあります。
相続税の実務では、夫が稼いだお金を生活費として渡し、その余剰分を妻名義で預金していた場合、
「実質的には夫の財産」
と判断され、相続税の課税対象になるケースが少なくありません。
たとえ、
「主人から『余った生活費は自由に使っていい』と言われていた」
という認識があったとしても、正式な贈与契約や贈与の記録がなければ、奥様固有の財産として認められにくいのが現実です。
「名義が違うから大丈夫」
「夫婦のお金だから問題ない」
と思っていても、相続の場面では税務上の判断が異なることがあります。
特に高齢者のくらしを支えるための老後資金や、将来の介護の備えとして蓄えてきたお金だからこそ、後になって困らないよう早めの確認が大切です。
相続は税金だけでなく、資産管理・資産運用、住まい、家族関係など幅広い問題につながります。
地域福祉の視点も大切にしながら、ご本人もご家族も安心できる準備を進めていきたいですね。
今後もNPOくらしでは、高齢者のくらしや老後資金、相続、FP相談など、地域の皆さまの安心につながる情報発信に取り組んでまいります。